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2017年4月 2日 (日)

ファイル002 レッドバロンシリーズ

忘れないうちに記憶を刻み込んで行きます。

アーカイブファイルシリーズ002
宣弘社 レッドバロンから
レッドバロンシリーズです。

元々ですが、実のところ怪獣軒とお会いした時に、製品的にはシルバー仮面が先の販売となりましたが、レッドバロンの原型からスタートしてました。

レッドバロンが先にスタートし、同時にシルバー仮面を変更して作っていたわけですが、レッドババロン製作時は全くソフビ原型の知識などなく、ヒケるとか縮むとかそういう話を聞きながら作っているうちに感覚がわからなくなってしまった。
というのと、やはりロボは時間がかかるんです。
怪獣や宇宙人と違ってヒーローやロボは非常に時間がかかり、他の方がなかなか製作に踏み切れないのはこの『仕上げ』という魔物のせいでもあります。

そういう意味でも、レッドバロンはかなり苦戦しました。
最初の原型が泥人形のようで(笑)それを切り刻んで数cm大きくする作業などなんどもなんども手を加えました。
そうしているうちにシルバー仮面がが発売。
2010年4月から約1年。
2011年6月にレドバロンがいよいよ出来上がります。

Red01

シルバー仮面が非常に数字が悪かった。
ということもあり、次回はきちんと戦略しよう!
と考え、ショーケースを借りてサンプルを展示したり、当時最も熱かった模型のSNSを駆使したり、海外の宣伝用にフェイスブックを始めたりととにかくできる事をやりました。

Red02

いまさらイベントなんて…
と及び腰の怪獣軒を焚きつけて…
と言ってもこのころの怪獣軒はお身体を悪くし、入退院を繰り返しておりシルバー仮面の原型の打ち合わせも病院の外出許可が出た時に打ち合わせをする…
という状況でした。
そんな中でスーフェスに出ましょう!
と言った手前、僕自身が怪獣軒の席に座り、レッドバロンのサンプルを飾って予約注文をとる。
という手法に出ました。

Red03

驚いたのが、僕自身が全くスーフェスに行ったこともなく、もちろん、初ソフビ製作ともあって右も左も分からない、ましてやメーカーの方々なんて全く知らない。
という状況でありながらも『怪獣軒』という名前で、いわゆるメーカーの集まる『A』の配置。
それがまたとても良い位置に配置していただけるというありがたい奇跡が起こりました。
そして

『怪獣軒は今日来てるの?元気なの?』

という各メーカーさんからのお言葉をいただき

『ああ、まだメーカーとして体を成しているんだな』

としみじみ感じました。
たた、やはりシルバー仮面の成績が非常に悪かったというのもあり、レッドバロンの塗装については僕自身でやらなければならない。
ヒーローやロボットというのはそういうリスクもありました。
いい加減に塗装はできないんですよね。
シルバー仮面は塗装マスクを作って制作費が膨大になってしまいました。
この塗装マスクが他の全てを凌駕するほどの金額がかかります。

なので、シルバー仮面で損失…
とはいえ、ほぼ回収はできたのですが全く次回を製作できるほどキャッシュフローができていない。
そんな中でのレッドバロンだったので、塗装マスクを製作することができずにほぼ筆塗りで注文分をクリアしないといけない。
という状況でした。
というのも、恥ずかしながら、このころやっとエアブラシというものを使うようになり、コンプレッサーを買うかどうか…
というそんな初歩的なことしか技術的にありませんでした。

さらに、ソフビ用の塗料というのは粘土質が高く、希釈が他の塗料に比べて格段に難しかったんです。
希釈が悪いとエアブラシから蜘蛛の糸というかモスラの糸(笑)のように吹いている段階で硬化してしますうんです。

そんな中、とてもぶっつけ本番でコンプレッサーとエアブラシを使う、また、塗装工程をイメージするということができませんでした。
なので、最初のロットは本気で全て筆塗りしてます(笑

顔のラインだけ、マスクを切ってもらいエアブラシを使ってますが、まともに吹けてないと思います(笑

そうして、発売されたレッドバロンですが、なんと…
シルバー仮面の倍ほどの注文が来ました!
いろんな宣伝が功を成したというのもあり、発売時からかなりの反響でした。
もちろん、レッドバロンというキャラクターありき、しかもあまり商品化されていないということもあったかと思います。
出せば出すだけ売れた!
という状況になりました。

そのころ、だんだんとエアブラシにも慣れて来てレッドバロンの色変えを色々とやりましたが(すいません、現物が残っていません)ある時、怪獣軒にこんなサンプルを渡しました。

『重塗装です』

『おお!』

もちろん2つ返事でこれはいける!
ということになりました。
僕もだんだんとエアブラシを細く吹けるようになり
『こんなこともできるんだよ』
という提案をできるようになりました。

Red04
元々、成型色の『赤』というのはディーティールがどうしても死んでしまい、自分が意図したというか、頑張った(笑)モールドが見えにくくなってしまうんです。
が、どうしてもレッドバロンとして赤以外の決定版というのは劇中色なのでありえないので、なんとか赤で美しく見える方法はないかな?
と試した手法です。

Red05

おかげさまで、怪獣軒レッドバロンは大好評で想像以上のロングセラーとなりました。
ただ、そのたびに僕が色を塗らなければならないという(笑
こんなことなら塗装マスクを作った方が良かったのでは?
というのも後の祭りで、どうしてもそういう部分を予測して生産することは難しい、とおいうのがメーカーの悩みですね。

そして、レッドバロンシリーズはそれから約1年と半年。
2012年12月についに鉄面党ロボが登場となります。

Tolo01

トロイホースの登場です!
トロイホース自体のワックス原型は夏ころに上がっていたのですが、実のところ右腕のドリルがボトルネックで成型不能だったんです。
そのために再度右腕を作り直し、上腕部とドリルとをパーツわけし、逆にプレイバリューが増えた(笑)仕様として発売されました。

Tolo02

このトロイホースを製作する前に、マッハバロンを製作したのですが、ワックスに慣れていない上にヒケを泡に悩まされ、自分の思い通りにできなかった。
というのがあり、トロイホースで悔しさのその全てを注ぎました。
怪獣軒は未だに
『トロイホースのワックスはすごかった。あれは未だに忘れない』
とおっしゃってます(笑
それくらいマッハバロンでの悔しさがあったし、全てをぶつけてやろう!という気持ちで取り組みました。

Tolo03

敵メカは売れない、というセオリーがありましたがなかなかの及第点。
おばけアイテムのレドバロンと比べたらそりゃ圧倒的に少ないのですが、しっかり利益が出るほどの結果でした。
また、トロイホースの原型展示をスーフェスで行った際、とある方がブースにいらっしゃいました…

『すいません、あべさんですか?ファンです』

といろいろお話をしていると、お名刺をいただき仰天!
ここで初めてメディコムトイの社長の赤司さんをとお会いすることとなり、以降怒涛のようにお仕事をいただくこととなります。
が、これはまたの機会に。
というか、『ファンです』って偉い方なんですから!普通にご挨拶いただければ良かったのに!偉そうに語っちゃいましたよ!という気持ちをそっと心の奥にしまいました(笑

そして、さらに…
時は2014年。
実に2年後。
怪獣軒レッドバロンをメディコムトイで販売できないか?
という打診を怪獣軒からありました。
という赤司さんからご連絡いただいて、実は僕の心の中では一つの心残りがあったんです。

それは
『レッドバロンをリニューアルしたい!』
という気持ち。
原型師として時間とともに、もちろん製作数が増えれば技術も上がります。
そんな中での原型師としての不満な部分をもう一度チャレンジしたい。
特にレッドバロンは最初のキーとなる作品だけにその思いはかなり強かった。
というのがありました。

しかし、時間的に難しい。
というのが現状でこの頃は(というかいつもなんですけど)スケジュールがパンパンの状態でした。

赤司さんから
『レッドバロン進めて良いですか?』
という確認の連絡をいただき、
『どうぞ』
と伝えるももう心の中では抑えきれないドロドロした鬱憤が溜まって来ました。
でも、スケジュール的には無理だろう、という気持ちと入り乱れて悶々とした数日が過ぎました。

しかし、ここで一転!
怪獣軒から連絡があり
『メディコムで販売してくれと言ったのはいいが、もう散々売ったレッドバロンだけに注文取れるかな?注文入らなかったら申し訳なくて…』
といわれ、
ここだ!
と(笑

『わかりました!じゃあリニューアルしましょう!新しく原型やります!』

ともう先のことを考えずに脳内反射で声が出ました!
さて、どうしたものか…
その電話が土曜日。
一般企業が休みの日ですよ。
なんとかこのスケジュールの中でメディコム、怪獣軒、版元様全てを納得させる方法…
『できます!やります!』
は誰でも言える。
問題は本当にできたかどうか。
ここに全てがあるのですが、もう後には引けない。
すぐ原型に入り、日曜の夜には納得できる原型の雛形を作らねば誰も納得せんだろう!
と日曜の夜にほぼほぼ全容が見える原型を作った!

あとはメディコム的にそれがどうか?
宣弘社様には怪獣軒のレッドバロンを販売するということで進んでいいる。
これを覆すことができるか?
そんな思いを込めて、日曜の夜に赤司さんに画像添付をして送る…

びっくりするくらい早く、しかも日曜の夜に返事が来た!

『これで行きましょう!』

そして、そのあとは華麗に宣弘社様にご連絡が行き、異例の速さで発表となった!
それがこのレッドバロンインターナショナルver.

Red001

2014年10月に発表されました。
より劇中に近づけたレッドバロンとして製作しました。

Red002

最初のレッドバロンを作った時には資料不足だった部分を、DVDをコマ送りし、できる限りのディティールを再現しました。
気がつかなかったビスの部分などかなり調べ上げました。

非常に気に入っておりますが、かと言って旧レッドバロンがどうというわけでなく、全く違ったベクトルで商品ができたと思います。

ちなみに、旧レッドバロンはこのリニューアルバージョンが出るにあたって生産を終了しましたが、2016年の宣弘社テレビコンサートにあたり一度だけ復刻生産しております。
こちらも生産終了、在庫ある分で終了となりますのではしもと玩具店様にお問い合わせください。

さて、やっぱりソフビはガシガシ遊ぶもの。
レッドバロンだけでなく敵メカが出たというのは奇跡的だと思うし、だったら遊ばないと損!(笑

Redvs01

Redvs02

旧レッドバロン重塗装とトロイホース重塗装の対決!
絵になります!

Redvs03

Redvs04

Redvs05

リニューアル版との対決は劇中版に近づけただけあってまるで本物のよう!
やっぱりソフビはこういう遊び方が楽しいですね!

では、次回のファイル003ではピープロ特集の予定です!

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